虚構と現実の狭間で

何度も、何度も、嘘を言い続けてしまった結果、いつしか自分でもそれが本当だか嘘だかわからなくなってしまい、あたかも本当の話かのように話し続けてしまう。

 

当時の自分が、本気でそう思ってたかのように、相手が喋らない(れない)のをいいことに。

 

そういう物語があればいいなと思って。

そういう物語ならさぞかし綺麗だろうと思って。

 

本当のことを言っても、もう信じられなかった時の絶望感は、あの日ついた嘘へ、今日ついた嘘へ、そして、これからつく嘘への報いだ。

 

「私だけは知ってる」と思わせることがなんだか楽しくて。でもそれは最低なことなんだなぁ。残念ながら。

 

本当に自分は毎日社会人をやっているのだろうか。本当に会社に行ってるのだろうか。

親はいるのか、友達はいるのか、きょうのできごとは現実なのだろうか。

 

もっと言えば、嘘をついているのは自分に対しても、またそうなのである。

 

「何かしらに秀でた天才で救国の英雄」であると自分に嘘をつき続け、ただの凡人である本当の自分からは目を逸らし続けている。

 

この文もまた、虚栄だ。嘘をついている自分に気づいていることが、周りよりも優秀なのだと思っている。

 

ブログを書いていることだってそう。

英語やロシア語を再度やってることだってそう。

船舶の免許を取ったことだってそう。

彼女が欲しくなることだってそう。

お金が欲しいこともそう。

 

本当は恋人なんか人生で1人しかいないし、

今付き合ってる人はいないし、

経験人数も2人だし、

振られた回数なんて天を仰ぐほど多いし、

そこまでいかないことなんか数えられない。

 

TOEICは680点だし、

ロシア語は全然わかんない。

 

船舶の免許は1回落ちて2回目やっと受かって

まだ1人で乗ってすらない。

 

お金は全然ないし、

手取りも別にそんなに良くはないし、

1000万の借金だって本当は大きい。

 

ここ数ヶ月勉強なんか全く手についてないし、

めちゃくちゃゲームやってるし、

かと言ってゲームは全然上手くならない。

 

仕事は基本1日2時間もやってないし、

昼寝ばっかりしてるし、

だから評価はまずまず。

 

最悪の人生歩んでるのに、

まぁまぁの人生歩んでいるかのようなフリをして、自分の考えうる全員を騙して、

また明日も誤魔化し生きる。