記憶

たった数年前、たった数ヶ月前のことがもう思い出せない。

 

あんなに仲の良かった彼の声は一体どんなんだっただろう

あんなに好きだったはずの彼女の顔が薄ぼんやりとした輪郭でしか浮かび上がらない

そういえばどんな話したっけか、、、それより何が好きだったっけか、、、

何かで撮った写真を見ても名前を思い出せないなんて日常茶飯事だ

 

 

 

中高の友達の顔や声はあんなにはっきりと(たまに夢に出てくるほど)思い出せるのに、たった数年前の大学の話は、殆ど何も残っていない。強いて言うならヨーロッパに旅行に行ったことだが、それは中高時代からの友達と行ったものだ。

 

大学が楽しくなかった、意味がなかった、というわけではない。寧ろ今の仕事に直接につながっているのは大学時代の先輩との出会いだろう。

 

年を追うにつれ、人間関係が希薄になっているのを肌で感じる。

 

まるでチキンゲームでもするかのようにぎりぎりのセクハラ発言をする先輩、とりあえず上司の愚痴をいうリーダー、「でもうちの会社、金払いはいいよね」を何かの合言葉かのように繰り返す。そもそも人間関係なんて作れたもんじゃない、いっそのこと初めから希薄なままでいい。(とか言いつつ、近所に住む同期が趣味も同じでちょっと好きかもという話はまた別で)

 

誰かが言ってた

「これからどこに通おうが、母校は高校です」

が蘇る。今、尚更それを噛み締めて思う。

 

私の母校は確実に高校だったと。